2010年12月31日

ダビデ像の鼻は高い?

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ミケランジェロは「レオナルド・ダ・ヴィンチ」、「ラファエロ」とともにルネサンスの三大巨匠と呼ばれる芸術家でした。
代表作の「ダビデ像」や「最後の審判」などは、誰もが一度は目にしたことのある名作でしょう。
 
また、画家と彫刻家として有名なミケランジェロですが、サン・ピエトロ大聖堂などを設計した建築家でもありました。

彼がダビデ像を制作しているときに関する、こんなエピソードがあります。
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ダビデ像は大理石で、高さが5.17メートルある彫刻作品です。

この作品では、緊張の色を顔に浮かべながら、これから戦闘に臨むダビデの姿を描いたものです。
左半身は体重をかけずに足を外側へ差し出してややリラックスしているのに対し、右半身には戦いの前の緊張感が溢れています。
静脈の浮き上がった右手や堅く踏みしめられた右足、わずかによじらせている胴体の様は、ダビデがいままさに攻撃を開始しようとしているのだという予感を観る者に与えます。
フィレンツェの行政長官「ピエール・ソデリーニ」が、ダビデ像の制作現場にきてこう言いました。
 
「ちょっと鼻が高すぎるんじゃないか?」
そこで、ミケランジェロは何も言わず、床の大理石のくずをそっと拾って手に握り、槌を使って修正し始めました。
しかし、手に隠し持った大理石のくずを、適宜パラパラと落としながら、修正する"フリ"をしていたのです。
 
行政長官はしばらくすると、「うん、よくなった」と、満足して帰っていったそうです。
 
ミケランジェロの本心は、「素人にガタガタ言われたくないんだよ」という気持ちだったでしょう。
しかし、その感情を表に出すことなく、また、理屈で相手を説得することもなく、万事丸くおさまる演出をしてみせたのです。

まさに機転が利くというのは、こういうことなのでしょう。
 
ミケランジェロは後世にすばらしい作品をたくさん残すことができた秘訣は、こうした機転にもあったのかもしれません。
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