2010年12月11日

いまも生きる『兵法』の智恵


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武田信玄が旗印として使っていたことで有名な「風林火山」。
これは、『孫子の兵法』の一節からとったものです。


風のように速く動き、
林のように静かに構え、
火のように苛烈に敵を攻め、
山のように敵の攻撃を跳ね返す」

このような意味で知られる「風林火山」、じつは『兵法』の一節の、さらに一部でしかないということをご存知でしたか?

 

そもそも『兵法』とは、中国春秋時代の武将で軍事思想家でもある孫武(孫子は孫武の尊称)が書いたと言われる兵法書で、「始計・作戦・謀攻・軍形・兵勢・虚実・軍争・九変・行軍・地形・九地・火攻・用間」の十三篇からなります。
「風林火山」の一節は、『兵法』の軍争篇にあります。

広く知られるようになった「風林火山」の一節は、じつは次のようなものでした。
「故に、其の疾(はや)きこと、風の如く 其の徐(しず)かなること、林の如く
侵掠(しんりゃく)すること、火の如く 動かざること、山の如く
知り難きこと、陰(かげ)の如く 動くこと、雷霆(らいてい)の如し。
郷を掠(かす)むるには、衆を分かち 地を廓(ひろ)むるには、利を分かち
権を懸(か)けて動く。
「迂直の計」を先知する者は勝つ。 此れ軍争の法なり。」

この一節は、次のような意味です。
 
「疾風のように早いかと思えば、林のように静まりかえる、
燃える炎のように攻撃するかと思えば、山のように動かない、
暗闇にかくれたかと思えば、雷のように現れる。
兵士を分散して村を襲い、守りを固めて領地を増やし、
的確な状況判断のもとに行動する。
敵より先に「迂直の計」を使えば勝つ。
これが、勝利の法則だ」
「迂直の計」の「迂」とは曲がりくねっていること、「直」とはまっすぐであること。
つまり、正攻法と奇襲作戦のような「相反するもの」を巧みに使いなさい、という意味なのです。
 
武田信玄はこれに学び、ついに「家康公を苦しめ、人間として成長させた武神」といわれるようになったのです。
武田信玄
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孫子は、後世の軍事学の研究者に多大な影響を与えました。
そのなかには、20世紀を象徴する戦略思想家であるリデル・ハートや、中華人民共和国の建国の父とされ、思想家・戦略家としても名高い毛沢東などもいます。
その影響力は現在も健在です。
『兵法』は2,500年も前に書かれた書物でありながら、現代のビジネスの分野においても評価されています。
著名な実業家が愛読書として『兵法』を挙げているのを、あなたも目にしたことがあるでしょう。
経営戦略やマーケティングにご興味がおありなら、ぜひ『兵法』を一読してみてはいかがでしょうか?
原著の訳書はむずかしいという場合にも、初学者向けのやさしい解説本やビジネス用途に特化して書かれた著作なども発行されています。
ぜひ、数千年もの間、影響力を持ちつづけた戦略論に、あなたも触れてみてください。
 
  
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