2011年3月 3日

角川グループとGREEが提携して作る、「ソーシャル電子書籍」とは

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角川グループとSNS大手のGREEは24日、電子書籍事業での業務提携を発表しました。
今夏をめどに角川書店の持つ電子書籍コンテンツを、GREEが展開するSNSサービス上で提供する予定です。
電子書籍市場は今年成長が見込まれているため、モバイル・印刷・出版など様々な業種からの参入が相次ぎ、大混戦の様相と呈してきました。
こうした中で、角川・GREE陣営は「ソーシャル」という新機軸で差別化を狙っていくようです。
 
今回は、両社が提供する「ソーシャル電子書籍」構想についてご紹介します。
さて、この提携における最大のポイントは、「SNS×電子書籍」です。
 
角川グループは、すでにiPhoneやiPad向けに電子書籍サービス「BOOK☆WALKER」を展開しています。
ここでは同社が得意とするライトノベルやコミックを約500冊配信しており、10代後半から20代前半の若者をターゲットにしています。
一方のGREEは、ソーシャルゲームを提供したSNSの先駆けであり、現在の会員数は2383万人。
昨年からはスマートフォン向けのサービスも展開しています。
こちらもターゲットは学生から20代の若者となっており、両者の狙いが一致したことが、提携の決め手になったと考えられます。
 
具体的なコンテンツとしては、まず書籍・コミック・映画・アニメなど角川グループのコンテンツを活用したソーシャルアプリを「GREE Platform」で提供。
第1弾として近日中に、ライトノベル「GOSICK」など4タイトルをリリースすると発表しています。
両社のサービス・メディアを連携させた共同プロモーションでは、リアル書店での書籍の商品帯などコードを付記し、アクセスするとソーシャルアプリの限定アイテムを手に入れることなどを予定しています。

肝心のソーシャル要素としては、当初は電子書籍の購入履歴を友人と共有したり、友人にプレゼントするなどの機能を持たせることが発表されています。
将来的には、複数の友人と読み進めたり、ユーザーの選択によってストーリーが変わっていくようなコンテンツの提供も視野に入れているようです。

電子書籍を提供するプラットフォームは非常に多種多様となっているため、他との差別化がポイントとなります。
今回紹介したプラットフォームでは「ソーシャル」と「共通のターゲット」を武器に、他社と戦っていくようですね。
しかし、これがただの購入履歴の共有や電子書籍プレゼント機能といった、ソーシャルゲームのアイテムの代替品となってしまってはもったいないでしょう。

たとえば、他の電子書籍プラットフォームでは、購入した電子書籍の閲覧は購入者しかできませんでした。
そこでソーシャル機能を利用し、「貸し借り」をSNS内のみで可能したらおもしろいかもしれません。
他にも、自分で製作した電子書籍を友人に見せて評価を貰ったりするなど、よりユーザー主導の電子書籍の利用が増えたらこのプラットフォームの可能性はさらに広がるのではないでしょうか。

いずれにせよ、広がりを見せる電子書籍市場に本格的に乗り出してきた角川とGREEの強力タッグ。
若者層を中心に、どれだけユーザーを獲得できるのか、期待が高まります。
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