2011年4月 2日

「ポケモン」ブランドを支える姿勢と努力とは?

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株式会社ポケモンが2010年9月18日に発売したニンテンドーDS専用ソフト『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』をご存知でしょうか。
2本同時発売されたこのゲームソフトは、2本あわせて国内累計514万本が販売されています(2011年1月12日現在)。

おそらくあなたもご存知の「ポケモン」というブランドは、世界的な人気コンテンツです。
たとえば、2006年9月28日に発売されたニンテンドーDS専用ソフト『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』は、全世界で1,715万本(国内580万本以上)を販売しています(2011年1月12日現在)。
株式会社ポケモンは、ゲームソフト以外にもアニメ、映画、カードゲーム、グッズなど、「ポケモン」というグローバルブランドビジネスを統括する会社です。

「ポケモン」ブランドは、株式会社ポケモンの石原社長のある信念とそれを貫くための努力によって、15年もの長きにわたって支えられています。
ポケモンブランドは、1996年2月27日に発売されたゲームボーイ専用ソフト「ポケットモンスター 赤・緑」から始まりました。
当時、すでに落ち目となっていたゲームボーイでの発売でしたが、結果は大成功。2本あわせて国内で800万本以上を売り上げる大ヒット作となりました。
1998年にはポケモンのライセンス管理を主幹事業とする株式会社ポケモンが設立され、その後、1~2年に一度のペースで新作ゲームを発売し、次々と成功を収めます。
その勢いはゲームソフトにとどまらず、コミック化、アニメ化を経て映画化。さらにカードゲームやキャラクターグッズ等も好調な販売を堅持しています。

なぜ、「ポケモン」はこれほどまでに継続的に人気を集めることができたのでしょうか。
株式会社ポケモンの石原社長は、コンテンツをヒットさせるためには、「新しい遊びや驚きを提供する必要がある」と言います。
もともと「収集」「育成」「対戦」という子どもたちに人気のある要素を備えて生まれた「ポケモン」は、発売のたびにユーザーを驚かせる新しい遊びを提供しつづけ、「ポケモン」の開発会社ゲームフリークの増田順一取締役開発部長は『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』について「このゲームによって、『ポケットモンスター』は革新的に生まれ変わる」と語っています。
12作目の新作でもこのように言い切れるほどの新しい遊びと驚きを、「ポケモン」はつねに提供しつづけてきたのです。
また、いまではおなじみとなった「映画館に行くと、プレゼントがもらえる」といったしかけも、「ポケモン」から始まったものでした。
つねにユーザーを楽しませたい、驚かせたいという姿勢が、「ポケモン」ブランドを支えているのでしょう。

ですが、その遊びや驚きがユーザーの求めていないものだったら、意味がありません。
ゲーム業界においてもユーザーアンケートやニーズ調査といったマーケティングは行われていますが、「ポケモン」ほどの大ヒット作が次々と生まれるわけではないところを見ると、それらが完璧に機能しているとは言いがたい状況です。
では、なぜ「ポケモン」はユーザーが喜ぶ楽しみや驚きを、次々と提供しつづけ、魅了してやまないのでしょうか。
この裏には、ある企業努力がありました。

株式会社ポケモンは、毎年夏に全国の主要都市で「ポケモンフェスタ」というイベントを開催しています。
「ポケモン」に関連したアトラクションなどが数多く出展されるこのイベントはすでに夏休みの恒例イベントとなっており、会場に入りきらないほどの参加者が押し寄せるため、2009年から事前申し込み制となるほどの好評を博しています。
このイベントの目的は、ユーザー満足だけではありません。スタッフが遊びに来ている子どもたちの生の声を積極的に聞くという、意見聴取の目的があるのです。
実際に子どもたちと触れ合うなかで生の声を拾う――こうした努力があってこそ、「ポケモン」はユーザーの求める新しい遊びや驚きを提供しつづけることができるのです。

ゲームやアニメのようなコンテンツはクリエイター中心の、プロダクトアウトで開発が進められているような印象を持たれています。
今日のゲーム業界では、マーケットインの考え方が広まり、積極的にユーザーアンケートなどを採り、ゲームに反映させるようになってきました。
ですが、もっとも売れているゲームソフトの1つとなった『ポケットモンスター』シリーズを開発するための企業努力を見ていると、それがあまりにも足りないものだと気づかされます。

ユーザーあってのコンテンツです。
ユーザーに価値を提供しなければ、商品は買ってもらえません。新しい価値を演出できなければ、ユーザーは振り向いてくれません。
それにもっともシビアに立ち向かっているからこそ、「ポケモン」はグローバルブランドになれたのでしょう。
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