2011年5月23日

ネットサービスの次なるブルーオーシャンは?

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総務省が発表した「通信利用動向調査」によると、70代、80代以上のインターネット利用率が3年続けて増加しているという結果になりました。
とくに、70代ではおよそ4割に達するなど、高い利用率を示しています。

また利用用途も、ブログを更新したり、交流サイト(SNS)に登録して同じ趣味の会員を見つけたりと、使い方の幅に広がりが見受けられます。
一方で、ショッピングは興味を示すものの、利用頻度はまだ低いようです。

今回は、新しいインターネット市場のターゲットになり得る、高齢者の利用現状についてご紹介します。
「通信利用動向調査」によると、年齢階級別インターネット利用率で70~79歳が39.2%、80歳以上が20.3%に上りました。
この結果について調査会社シニアコミュニケーションは、「70代前半の男性は、在職時にパソコンに親しんでいた世代」という見解を示しており、パソコンやインターネットが身近にある環境で職務や生活してきたため、利用者が増えたと考えられます。

一方で、「1年間にインターネットを利用したことがある人」はすべて含まれるので、必ずしも全員が頻繁に利用しているとは限らず、ネットに接続するうえで、ヘルパーや親族といった周囲の人の手助けを得ている人もいると仮定されます。
ですから、大多数の高齢者がインターネットを利用しているとするのは言い切れませんが、絶対数の純増は確実に見受けられます。

ではどんなサービスを利用しているのでしょうか。

シニア向けSNS「スローネット」を運営する日本テレネットによると、2011年4月末時点の会員数は約9万6000人で、うち70歳以上が4分の1を占めます。
スローネットはサービスを2000年にスタート。
趣味が共通する会員とネット上でグループを作り、交流する――SNSでは一般的な要素ではありますが、スローネットの場合は「同じ『グループ』に属する人が、実生活で顔を合わせて『オフ会』を頻繁に開き、一緒に趣味を楽しむ傾向」があるようです。
さらに「他人の書き込みに共感を示し、相手を褒める人が多い」という特徴も見られています。

ですが、ネット上で積極的に交流するスタイルはまだまだハードルが高いもの。
そのためスローネットでは、読みものや掲示板といった「情報閲覧型」コンテンツの拡充を図っているようです。
例えば、「孫の写真を撮ってメールで送ったり、旅行先の写真を投稿する」といった、身の回りの人や趣味を動機づけとし、気軽にネットを利用を促進していきたい考えです。

最後に、ネットショッピングについて。
健康上の理由などから買い物に出かけるのがむずかしい人や、近所にスーパーがない場所では、日々の食料や日用品をネットで簡単に購入できれば便利に違いありません。
しかし、ネットでものを購入することには抵抗も多いため、高齢者の顧客が多い健康食品の販売サイトでは、商品はネットで閲覧し、注文は電話やファクスでも受けつけるというように対応しています。

高齢者向けのパソコン教室を展開するアビバによると、パソコンを学ぶ70、80代の生徒に「インターネットをどう利用したいか」を調査に対し、ネットショッピング」が「趣味」に次いで2番目に多いという結果になりました。
ですから、現時点ではネットで自在に買い物をするには敷居が高いようですが、潜在的な欲求は垣間見えるので、今後いかに高齢者に利用しやすい環境を整えるかが肝要となっていきそうです。

このように、高齢者の方のネット利用が増え、趣味や交流の輪が広がっていくのはよい傾向ではあります。
しかし、ネットには無数の情報が氾濫しているため、情報の取捨選択が行えるよう、リテラシーの面も教育していかなければなりません。

今後は、サービスの拡充だけでなく、利用者が自分の意思で情報を選択していけるようなサポートもしていく必要がありますね。
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