2011年6月 7日

電子書籍が紙に負ける5つのポイント

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米Amazon.comが最初の「Kindle」を発売し、電子書籍を販売してから3年半。
現在同社の電子書籍の売り上げは、紙の本より大きいという状態にあります。

米国中心に広がりを見せる書籍の電子化の勢いですが、WIRED.comの記事では「電子書籍が紙に負ける5つのポイント」と題し、電子書籍が紙の本に敵わない側面を提示しています。
今回は、この5つのポイントを紹介します。
1.読了へのプレッシャーがない。
電子書籍は、常に視界のどこかに存在するということがありません。
そのため、たとえ1,000冊を超える電子書籍を持っていたとしても、視界に入ってこなければその存在は忘れられてしまいます。
つまり、紙の書籍から感じられる「読み始めたものは最後まで読め」と訴えてくる力に欠けているのです。

この問題を解決する方法は、「『A Shore Thing』を読み始めてもう17日がたつが、まだ47ページめですよ」ということを思い出させてくれる通知がポップアップで登場することですね。


2.購入した本を1カ所にまとめられない。
物理的な本では、本棚を自分で整理し、その中から本を選ぶというプロセスがあります。
しかし、タブレットやスマートフォンの場合は、アプリごとに「本棚」ができてしまい、いろいろな所から購入した電子書籍をまとめて1カ所で見ることができません。
まとめるためのアプリが存在しないのです。
これは小さな問題かもしれませんが、本屋がユーザーの本棚のサイズや形を決め、本棚にはその本屋で買った本しか並べるな、というルールを強制してきたとしたらどう思うか、考えてみてください。


3.思考を助ける「余白への書き込み」ができない。
文章をハイライトする機能だけでは十分ではありません。
注意深い読み手は、著者と議論したり、論点を展開したり、読んですぐに思いついたことを書き留めたりしたいものです。
そして、そのようなメモはオリジナルの近くにある必要があり、別のノートにというのでは話にならないのです。
また、本への書き込みというものは、本を誰かと共有すると、また興味深い「偶然の発見」を生み出していくものです。
こうした書き込みがまったくできないことは電子書籍の弱点の1つとなります。


4.位置づけとしては使い捨てなのに、価格がそうなっていない。
ハリウッドがDVDの特典でやっているように、電子書籍がそれ自体の価値をきちんと追加しない限り、レンタルに等しいものに13ドルを出すのは納得がいかないところがあります。
電子書籍は発行にほとんど費用がかからないのに、出版社が設定している基本となるカバープライスは、紙で出された新作の割引価格よりわずかに安いだけです。
また、電子書籍は貸すことも、地元の図書館に寄付することも、転売することもできません。


5.インテリア・デザインにならない。
くだらないことかもしれませんが、物理的な本棚というものは、自分の人となりをほかの人々に無言で紹介するものです。
私たちが公共スペースに置く本、置かない本、そしてその並べ方は、世間に自分をどう思ってほしいかを雄弁に語ってくれます。
つまり、本棚は私たちの紋章や名刺のようなもので、会話を始めるきっかけにもなります。
それが電子書籍リーダーの奥深くに隠されてしまえば、本棚の語る言葉は誰にも聞こえなくなってしまいます。


インターネット以前のラジオやテレビや映画が存在しているのとおなじように、古いメディアが完全に廃れてしまうことはありえません。
そのため、電子書籍が登場したからといって、すぐに紙の書籍が廃れてしまうことはないでしょう。
現時点では、電子書籍と紙の書籍の両方を使い続けることが、両方の世界のいちばんよいところを取り入れる方法なのかもしれませんね。



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