2011年6月25日

Appleのマルチタッチに関する特許獲得による影響

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最初に申請してから3年以上を経て、Appleがようやく「iPhone」のタッチスクリーンに関する特許承認を獲得しました。
今後、タッチスクリーン式のスマートフォン市場で、Appleが独占的な立場をさらに強める可能性があると、メーカー各社は懸念を示しています。

今回は、タッチスクリーンに関する特許獲得による影響について考えます。

米国特許第7966578号によると、Appleは「タッチスクリーン・ディスプレイを備えるポータブル多機能デバイスと連動して使用するための、フレーム・コンテンツを含むページ・コンテンツの表示技術に関するコンピュータ実装方法」について使用権を認められました。
つまり、この特許はAppleに対し、現在のスマートフォンが一般的に採用している、いわゆるタッチスクリーン・インタフェースの完全な所有権を与えるものなのです。
このタッチスクリーン・インタフェース技術は、ユーザーがさまざまなマルチタッチ・ジェスチャーを使用しながらタッチスクリーンを操作する方法を指します。
たとえば、ウェブページを1本指でスクロールし、2本指でそのウェブページ中のフレームを操作するといった動作のことです。


問題なのは、この特許は非常に幅広い項目を網羅しており、特定のタッチスクリーンを利用するタブレットや音楽プレイヤーのメーカーにも影響が及びそうということです。

可能性としては、Appleは競争相手を排除するために同特許を根拠としてさらなる訴訟を起こし、HTCやSamsung、Motorola、Nokiaといったライバル社の排斥に走ることも考えられます。
特許専門家によると、この特許申請が極めて詳細なものだったことから、他のメーカーがiPhoneに匹敵する製品を作ることが困難になり、ひいてはイノベーションが滞るおそれがあるとも指摘しています。


もっとも、こうしたシナリオは「最悪の状況」を想定した場合のものにすぎません。
今回の特許承認が、かならずしもApple以外の多様なメーカーがひしめくタッチスクリーン式携帯電話市場の終焉を意味するわけではありません。
スマートフォン市場の未来は、Appleがこの特許を競合社に対して、いかに用いていくかにかかっているのです。
もしもAppleが特許侵害のかどで任意の企業を訴えるならば、問題となるマルチタッチ・インタフェースがAppleの同技術を直接的に複製したものであることを証明しなければなりません。
つまり、iPhoneのタッチスクリーンのあらゆる特徴を丸ごとコピーしていなければ、この特許は適用できないのです。


このような環境の中でもっとも考え得るものは、Appleが同技術を他社にライセンス供与し、この特許を法廷外で活用していくというシナリオです。
この場合、iPhoneや「iPad」と同じようなタッチスクリーンの仕組みを利用したいと考えるすべての企業が、Appleに一定額の特許利用料を支払い使用が可能となります。


いずれにせよ、Appleの今後の対応によっては、スマートフォン市場の寡占化が進んでしまうことも十分に考えられるので、動向に注目していきたいですね。
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