2012年7月 9日

「デジタル古書」が間もなく実現か

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北米や欧州では、書籍をかなり割り引いて販売する古書店が多く存在しています。
一方、デジタル領域で出版社は「デジタル古書」という概念に反発してきました。

ところが、この「デジタル古書」という概念が欧州連合司法裁判所の判決により実現化される可能性があります。
つい先日、欧州司法裁判所は「電子製品のライセンスは顧客間で再販可能」と表明しました。

この司法判断は、OracleとUsedsoftの訴訟から派生しています。
問題となったのは、Usedsoftが自社のさまざまな製品向けに大量のOracleライセンスを購入し顧客に再販した行為。
Oracleはそれを不服とし訴訟を起こしたのですが、今回、ドイツ人の裁判官がこの判決を下したことは、デジタル古書販売への可能性を開く突破口となるかもしれません。


高等法院はプレスリリースで次のように表明しています。

「コピーライト保有者は有形・無形を問わず顧客にコピーを提供し、同時に代金支払いの見返りに顧客がそのコピーを無制限に利用する権利を与えライセンス契約に同意する。」

コピーライト保有者は顧客にコピーを販売し、それに伴ってそのコピーに対する配布権を失う。
それに類する取引はそのコピーに対する所有権の移転を含む。
よって、ライセンス契約がさらなる所有権の移転を禁じたとしても、コピーライト保有者は再販を阻止することはできない。
そして、最初の購入者により販売されたコピーの購入者はそれを自分のコンピュータにダウンロードできる――ということです。


この司法判断は、中古ビデオゲーム・電子書籍業界に広く反響を引き起こしています。
電子コンテンツは販売者がその製品を利用しない限り第三者に再販可ということで、それはもともとのライセンス契約を侵害するものでした。
しかし、この司法判断により前例が確立され、所有権の移転が電子製品にも直接適用されるかもしれません。
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